記憶
記憶
まずは記憶と脳の関係を説明します。
記憶を司る脳の器官は3つあります。その3つは
「前頭葉」「側頭葉」「海馬」
です。
海馬
海馬は知覚して得た情報を最初に処理する場所です。
情報を短期記憶として保存する役割があるので、一時的にストックする役割があります。
ちなみに海馬の形がタツノオトシゴと似ていることから海馬と名がついています。
(海馬でタツノオトシゴと読めます)
前頭葉
前頭葉は大脳の一番前にあり、記憶の司令塔のようなものです。
長期記憶に移すかどうかを決める役割があります。
側頭葉
長期記憶を司るのは側頭葉です。
情報の保管庫の役割をしています。
ちなみに聴覚や味覚などの中枢もここにあります。
記憶の流れ
新しい情報が入ってきたとします。
海馬が前頭葉に知っているかどうかを問い合わせる
→前頭葉が側頭葉にその情報があるかどうか調べる
→保存するべき情報であれば、側頭葉に記憶する
ありとあらゆる情報はまず海馬に入ってきます。
ですが多くの情報は不要だと判断され、捨てられてしまいます。
エビングハウスの忘却曲線
よく見かけるグラフです。
20分後には42%忘れ、1時間後には56%忘れます。
1日後には74%忘れ、1ヶ月後には約79%忘れてしまいます。
とにかく何回も復習することが大事です。
1時間以内に1回復習し、1日以内にもう1回復習しましょう。
しかしこの実験は無意味な音節を覚えたときの結果です。
忘れにくくするためには意味をしっかりと考えて覚えればよいのです。
無意味なものは前頭葉が不要だと判断してしまうので側頭葉へ移動できません。
そのため前頭葉に対して今見た情報は大切だとアピールしなければいけません。
むやみに覚えるのではなくて、しっかりと理解して、納得すると少しは覚えやすくなります。
覚えるときのコツ
対比関係と因果関係などを意識しながら覚えましょう。
いわゆる丸暗記と呼ばれる、ただただひたすら覚えるやり方では記憶にはあまり定着しません。
なぜ、このような現象が起こるのか、どういう意味で名前がつけられたのかを考え、しっかり理解しながら覚えましょう。
セレゴ・メソッド
セレゴ・メソッドと呼ばれるものを紹介します。
記憶の状態を4段階に分けたもので、それぞれに名前がついています。
familiar・・・覚えたことがある程度の記憶。実際殆ど覚えていない
recognition・・・選択肢を与えられれば覚えられる程度の記憶
recall・・・選択肢がなくても自分で思い出せる
automatic・・・思い出そうとしなくても自動的に思い出せるレベル
記憶はこのように分けられて、必要に応じて分けられるのが理想です。
すべてをautomaticのレベルに持っていく必要はないです。
試験などで選択肢でしか出ない場合はrecognitionのレベルでもOKだと思います。